JBLがAIスピーカー?複雑な気持ち
JBLがなかなか面白いものを出してきた。
「JBL BandBox」というシリーズで、AIが楽曲のボーカルやギターをリアルタイムで分離してくれるポータブルアンプ兼Bluetoothスピーカーだ。スマホから流した曲を解析して、弾きたいパートだけ消した「マイナスワン音源」をその場で作れるという。

アンプシミュレーター、エフェクター、チューナー、メトロノーム、ルーパーまで内蔵。クラウドファンディングの先行価格は小型モデルのSoloが3万5200円から、上位のTrioが8万4700円とのこと。
正直に言おう。最初にこのニュースを見たとき、「JBLが?」と二度見した。
まあ、冷静に考えれば驚くほどのことでもない。近年JBLはBluetoothスピーカーや完全ワイヤレスイヤホンの分野でも積極的に展開しているし、時代の流れに合わせてきているのはわかる。わかってはいるのだが……。
昭和の頃からオーディオに親しんできた人間にとって、JBLといえばあのでかいスタジオモニタースピーカーのイメージが染みついている。4344だの、4333だの、部屋に置くだけで威圧感のある、音そのものを追求した機器の代名詞みたいなブランドだった。

そのJBLが、AIでパート分離。なんとも複雑な気持ちになるのは、昭和のオヤジの宿命だろうか。
ギタリストとしての自分の目線で言えば、この機能の発想自体は理解できる。
耳コピの補助になるし、バンドメンバーが集まれなくても一人で合わせ練習ができる。実用的だ。ただ、正直なところを言うと、そういう「便利さ」よりも、もっとシンプルに音が良くて安い練習用アンプを出してくれんかな、とも思う。
あ、それはJBLじゃなくて、ギターアンプを作ってるメーカーがやることか(笑)。
いずれにしても、デジタルの技術をそっちに全振りしてほしい気もする。
便利といえば便利だが、「JBLのスピーカーを買う」という感覚とは、ずいぶん遠いところに来てしまった気がする。
時代はここまで来たか、と思いながら、やっぱり昭和のオヤジは古い機材をいじくり回すのが性に合っているのかもしれない。
