あのカレー屋は
毎年この日がやってくると思い出す。
記憶というものは時間が経つと、都合よくぼやけてくるところはある。
それでもさすがにあの数十秒の記憶はけっこう憶えてると思ってる。
半年くらい前にもGoogleマップにあるストリートビューで、昔よく行っていた場所をなぜか見ていた。
その中にあの震災直前に行ったカレー屋を探した。懐かしさがあって。
そうしたらなかなか見つからない。
あれ?なんでだろ。何度も通った店なのに。
ストリートビューには、Googleがサービスを始めた年から、何度かデータが更新された分の蓄積を見る事ができる機能がある。
なるほど、見つかった。
でも数年前の同じ場所では建物は取り壊され、地下の部分まで掘り起こされていた。また建物が建ったのだろうというのはわかる。
でも、店をやっているようには見えない。
もう10年以上も前。
記憶の中の店になってしまったのか。
店の中でなぜか陸亀がのしのし歩いていたり(笑)、マイペースのお店のため、注文してからけっこう時間がかかったりしたけど、気に入っていた店だった。
また帰った時には行こうかと思ってただけに残念。
あそこでランチして確か一時間もしないうちにあの地震が来た。
僕にとってあの店の風景は、地震が来る直前、当たり前の日常のイメージなんです。
あ、これはあの当たり前を懐かしんでるってことか?